西浦の田楽 (にしうれ)
- Published in 静岡

このスポットの総合評価
西浦田楽は、国指定の重要無形民俗文化財。西浦の小字所能にある観音堂境内にて、旧暦1月18日より19日まで夜を徹して朝まで行われる「農祭り」。五穀豊穣、無病息災、子孫長久を願い、また、水火の難を除く神事である。
伝承伝説によると、養老3年(719)に行基菩薩、この地に来て、正観世音の仏像と数個の仮面をつくり、その年の7月10日より田楽がはじまり今日に及んだものであると伝えられている。
この神事に参加するものは、現在13戸(22人)の「能衆」と呼ばれるものと二人の「タヨガミ少年」であり、それらを「別当」と「能頭」の3人が率いる。いまでも参加する能衆の役は代々世襲制で、他のものは参加できない。現代でも厳格な戒律が守り継がれているままだ。
そして、いずれも男子のみで構成されており、「別当」は祭主、「能頭」は舞を担当する。祭りの期間中は、境内の中央に楽堂(囃子方の壁)を仮設し、その側に”大松明”を設置。
当日、大松明の明かりに照らされて千三百年間伝承されてきた49番の舞と儀式を夜を徹して奉納される。その姿はとても神々しく、そして、幻想的であろう。
本来水田稲作地帯で「田の神」に奉納する芸能であった「田楽」が、山間地である水窪町西浦で今日まで守られてきたということは民俗学的にも大変貴重なものだ。民俗学者・折口信夫により、全国的に紹介され有名になり、現在では毎年、民俗学者やカメラマン等が多く集まり、この日ばかりは静かな山間地も賑わいを見せる。
【住所】
静岡県浜松市天竜区水窪町 (西浦観音堂境内)
【アクセス】
・新東名・浜松浜北I.Cから水窪協働センターまで約70分
・水窪協働センターからシャトルバスの運行あり →
(シャトルバス時刻表)
(行き) 20:15 、 22:30 、 2:30 水窪協働センター前
(帰り) 1:00 、 3:00 、 8:45 元西浦小学校前
【公式HP】水窪観光協会